思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉のエッセンス

好きだという気持ちは、先人たちが残した数多の表現で言い尽くされてきた。 「月が綺麗ですね」 「君を夏の日にたとえようか」 「話したいことよりも何よりもただ逢うために逢いたい」 文豪でなくともフランス人は、愛しい恋人のことを「chou(x)(キャベツ)…

ささやかなエール

電車の中で素敵なお召しものを着た女性に出会った。 ひらひらふわふわしたロリータ服に、真っ白な日傘を持っていた(今日のこの地方の天気予報は終日雨だ)。 彼女は私の目の前に座り、高い位置でふたつに結んだ髪の毛を時折いじりながら、両手で持ったiPhon…

さじ加減

自分が幸せになるために誰かの幸せを犠牲にしないといけない瞬間があると思う。 そんな場面は何度も直面するものではないけれど、それでもやはり、「今の私はこの人を踏み台にして自分の幸せをつかもうとしているんだな〜」と自覚する時はある。 「自分の幸…

伝え上手

さっきまでイヤホンでBGMを聞いていたのだけれど、どうにもうるさくて音楽を止めてしまった。 テレビに映したYouTubeで毎日のように流していた音楽だったので、私の中では「ベストBGM」だと思っていた音楽なのに。なんだか裏切られてしまった気分だ。 あの曲…

送信ボタン

半年ぶりに第二の家に帰るのだが、友達へ「会おうよ!」と連絡する手がどうにもうまく動かない。 仲のいい人たちの顔を思い浮かべては、「この人は忙しそうだから」とか、「この人は最近彼氏ができたみたいだから」と勝手な謙遜をしてしまう。 要は、どこか…

第一印象

人の第一印象は15秒で決まるらしい。その15秒で赤の他人から「こんな人だ」と審判を下されるんだと思うと、背筋のあたりがヒヤヒヤする。 とくに私の場合、かなり仲良くなった人にあとから聞くと、決まって「最初、もっと怖い人だと思った」とか、「最初に喋…

コミュニケーションとアルコール

大人になると、お酒がないと初対面の人とうまく話せないという人に出会うことがある。 未成年の時にはその意味があまりよく分かっていなかったけど、20代にもなるとその意味も分かる瞬間がある。 お酒があると精神的な障壁が(生理的に)省略されて、割合失…

イメージトレーニング

小学生の時、運動会の練習の中に「喜び方の練習」というのがあった。 自分のチームが勝った時は、なぜか決まった定型文を皆で斉唱しないといけないというルールにどうやっても納得がいかず、当日、どんな競技で勝っても負けても自己流の喜び方を貫いた。 振…

生活習慣

週末はアラームが鳴る前に勝手に目が覚める。 割合早い時間だけど、前の晩に遅くまで起きていてもそれなりに起きられる。 「明日は絶対何時に起きる」と口で唱えてからだと、なおさら目覚めやすい。 この間見たテレビで、こういう眠りは浅くて質が悪いと聞い…

大人の中身

最近、「些細なこと」という言い方をよくするようになった。 小さい時は自転車に乗るのにもたついて、目の前から颯爽と走り去る母親の自転車と自分を見比べて大泣きしてみたり、クラスの女の子がちょっと仲間はずれにしたことを取り立てて大きな問題にしてみ…

根深い心配性

卒業を目前に控えた友人と、近い未来の話をした。 紆余曲折あって私も今のポジションから離れることになるので、来たる「近い未来」に二人が(大きく)関わることはない。 小さなことから全体的な話まで、現状改善すべき点をそれはもう多岐にわたって話した…

似た者同士

日付の十の位が2に変わると、そろそろ今月も終わりだなという気がしてくる。 今日は3月20日。 レミオロメンの名曲が歌う卒業の日はとうに過ぎて、多くの友人もまた、卒業の節目を迎えたらしい。 私としても、4月からは新学期が始まるということで神妙な面持…

比例で以って

必要以上に熱い言葉が嫌いだ。 表面的な暑苦しさの下に隠された、冷たい本音がわからない。 若い人(といっても私も若いけれど)たちは積極的に熱い言葉を使いたがるけど、その度に私は「何を言っているんだ」と思ってしまう。自分でも、冷めた人間だと思う…

今年の目標

昨日、2019年の目標を決めた。 日付にして3月17日、新年とも新学期ともつかない、中途半端な時期だ。 今年は無駄な天邪鬼精神が働いて、新年の目標みたいなものを立てていなかったので、まあ、気が向いたんならいいじゃないかと。 これまでも暦に左右されて…

たられば話

目の前で電車がいってしまって、「さっき走ればこんなことには…」という無力感にさいなまれている。 家から外へ出る時の意気揚々とした朝ならまだしも、帰りの疲労感を引きずって走るには、私の足は遅すぎた。 長い前髪がまぶたにかかる感じもうっとうしくて…

思えば尊し

昨日の夜20時過ぎ、帰りの電車でぼうっと座っていると、最寄駅まであと2駅のところで上品なケーキを持った男性が乗ってきた。 もちろんケーキをお皿ごと持っているというわけではなくて、有名なケーキやさんの上品な箱を、綺麗な袋に入れて持っていた。 彼は…

食事の醍醐味

ごはんを食べていて、「もうお腹いっぱいだ〜」と思うことが増えた。 焼肉でも、イタリアンでも、和食でも、その種類を問わず満腹を感じるまでの時間が短くなっている。 和食って、ねえ。 焼肉ならわかるけど、和食はさすがに、ねえ。 年をとったと言っても…

綺麗なケーキ

美味しいご飯をご馳走になった。高級ではないけれど学生同士で行くには少し敷居の高い居酒屋さんで、久しぶりに食べた綺麗な料理の最後には、これまた綺麗で可愛いケーキも登場した。 それを目の前にした時の私はというと、予想していたよりもはるかに嬉しく…

正解

天気の良さを棒に振るような、ありきたりな休日だった。 特に掃除と洗濯が最悪で、人間、息をしているだけで手がかかることを改めて痛感する。 食事もそう。家に食材があることのありがたさは、本当に何にも代え難い。 冷蔵庫が埋まっていると安心する。 こ…

チープな毎日

帰り道のコンビニで、美味しいスイーツを買った。 たかだか150円と消費税程度の満足だけれど、私にとってその満足は何にも代えがたい。 もちろん新しいガジェットや新しい服(特に春は最高)、新しいゲームを買った時の高揚感はそれに勝ってしまうけれど、日…

備忘録

Instagram、めちゃめちゃ精神に悪い説を提唱している。 華やかな日常、楽しげな笑顔、綺麗な食事と丁寧な暮らし、どれも今日の自分が持っていないものばかりで、嫉妬というより諦めのような気持ちが湧いてくる。 とはいえ仲のいい人たちの楽しい様子を見るの…

邪魔者

単位あたり日にちの時間が足りない、という言葉が気に入った。 この間会った人の「忙しさ」の言い表し方で、すごく的確だと思った。毎日忙しい忙しいと思っているのを分解してみると、案外その時間あたりがてんやわんやしていただけで、その日1日のハイライ…

たとえの品格

遠くへ旅行に行った友達の、壮大な旅行記を聞いた。 私は名前もよく聞いたことのない国だったけれど、そこで彼女が経験してきた人との出会いや交流、景色なんかは、なんとも素晴らしいものだったらしい。 その語り口が異様に魅力的で、私は明日にでもそこへ…

重たい自意識

エッセイを読んでいて、「昔自意識に関する話ばかり書くブログを更新していたら、『人から厨二病だねと言われた』」という一節があった。 いやこれ、まんまに私のことじゃないですか。 ヒヤヒヤしながら読み進めているうち、次第にそのエッセイだって厨二病…

五体満足

雨の日は、家の中が広くなったような感じがする。外で降りしきる雨の音が、部屋の中で反響するからかもしれない。 家の中には相変わらず何もないけれど、たとえば小説を読むとか、普段は見ない映画を流してみるとか、気持ちの上で広くなった部屋を口実に、新…

映画の中で

映画を観てきた。「今更それ見る?」と言われるような、もうすぐ上映終了しそうな映画だ。 実家の両親があまりにハマっているものだから、じゃあ私も観てみようかしらと思ったわけ。どうせならいい音響で見たくて、朝早く、すこし遠出する必要があったけれど…

浪費癖

普段買わないものを買って帰ると、なんだかいつもよりも幸福感が増すような感じがする。それは洋服の時もあるし、ケーキの時もあるし、今日みたいに、観葉植物や特別な入浴剤のこともある。 「今日は悲しいことがあったから」とか、「今日はたくさん頑張った…

人生模様

東京の人は、本当に歩くのが早い。 みんなが何に急かされているのかはわからんが、一方で暇を持て余す私は、人の波に飲み込まれないよう必死だ。 普段使わない駅なんて構内図も頭に入っていないわけだから、その中であの規模の人混みに巻き込まれるともうそ…

地獄でなぜ悪い

街を歩けばひな祭り、桃の節句と称した商品が所狭しと並んでいて、「ひな祭りも経済を回せるタイプの暦になったんだなあ」としみじみしてしまった。 テレビでもあまりに節句を押し出すものだから、我が家もそれにあやかって、ということはほとんどなくて、い…

ぶどうジュース

行き交う人も少ない片田舎の駅で、可愛らしい男性を見かけた。 強面の、片手にぶどうジュースを持った、30代くらいの男性。ペットボトルが30mLサイズというのにも彼のステキさが詰まっていて、一瞬心奪われた。と同時に、彼の身の上事情を(頼まれてもいない…