正解
天気の良さを棒に振るような、ありきたりな休日だった。
特に掃除と洗濯が最悪で、人間、息をしているだけで手がかかることを改めて痛感する。
食事もそう。家に食材があることのありがたさは、本当に何にも代え難い。
冷蔵庫が埋まっていると安心する。
こんなに天気のいい日なら、散歩のひとつやふたつでもすればいいものを。と思いながら窓の外を眺める休日が、果たして何回あったんだろう。
メイクがマナーじゃない世界なら、と、数え切れないほどのたらればを並べてみる。
とはいえ全く外に出ないというわけでもないのが厄介で、夜だけ何かしらの都合で外に出ることが続いている。
そうなれば夜の予定に合わせて準備をするわけで、太陽の光がなくなるものだから、どうにもメイクの色味がわからない。
いつも感覚で塗っているアイシャドウが、今日は少し塗り過ぎたような気がしたりして(かといって量を減らせば、それはそれで顔が薄く見えるらしいからむずかしい)。
たとえば家の中に観葉植物を置いてみるとか、いい香りのフレグランスを撒いてみるとか、そういう気分転換のやり方はいくつもあるだろう。
Francfrancや無印良品にでも行けば、倦怠感を打破してくれるアイテムがいくつも並んでいる。
オプション料金を払わずとも、少し外に出るとか、窓を開けるとか、その程度のことでもいいのかもしれない。
少しでもうまくいきそうなところに触れずにいるままだから、いつまで経っても困っているんだよと、至極真っ当な批判が聞こえてくる。
グズグズした毎日にあふれる惰性を、まとめて一度に退治できれば楽なのに。
と考えて、ここでもまた面倒くさがりな性質が邪魔をする。
やりたいことを心ゆくまで楽しめる気分の日と、そうじゃない日、2つの違いはいったいどこで生まれているんだろう。
その違いだけでもわかることができたなら、毎日制御することだって難しくないはずなのに。ふと浮かぶこの疑問には、不本意ながらも未だ答えを出せずにいる。