思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

イメージトレーニング

小学生の時、運動会の練習の中に「喜び方の練習」というのがあった。

自分のチームが勝った時は、なぜか決まった定型文を皆で斉唱しないといけないというルールにどうやっても納得がいかず、当日、どんな競技で勝っても負けても自己流の喜び方を貫いた。

振り返ると可愛げのない子どもだが、今でも、自分が間違っていたとは思わない。

勝った瞬間の嬉しさは勝ってみないとわからないし、負けた時の悔しさは負けてみないとわからない。

この「尖った運動会」を経た私は、中高の体育祭では勝っては泣き、負けては泣きを6年間繰り返した。

結局わたしの場合、勝っても負けても表に出る事情は同じだということを学んだ。

何回想像しても、イメージトレーニングを繰り返しても、うまく振る舞えない当日がある。運動会もそうだ。

その日の気持ちはその日にしかわからない。

どれだけ前々から「きっとこんな気分で、こんな表情をしてしまうと思う」なんて考えていても、当日の圧倒的な感情の前では水泡に帰す。

昨日、今まで仲良くしていた人たちが卒業だというから最後は笑って見送ろうと思っていたのに、一緒に写真を撮ったり、名残惜しそうにその場を後にする彼女たちを見ているとどうしても耐えられず、その後しばらくは心ここに在らずだった。

そんな時でも無限にやることが降ってくるので、手は動かしているけど、考えが回らない。

頭が動かないから、周りが見えない。

こんなに取り乱すものかと思った。

2つ以上のことを並行して考えるのが苦手だと、改めて痛感した。

そして今日も、わたしは見送る側に立つことになっている。

どんなに想像してもしきれない。

今日に限って言うのなら、イメージトレーニングなんて全く無意味だ。

今この瞬間もあれこれ思索を深めてはいるものの、なんの見通しも立たない。

その場で心を動かされて、やっとはじめて分かることがある。

「今の私は寂しさで何も考えられないんじゃなくて、何も考えないようにしているだけ」と言い聞かせて、数時間後の自分に全てを任せることにする。

またあとでね!