思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

ニガツノナミダ

最近テレビでよく見るソフトバンクのCMソングがあまりに好きで、YouTubeでフル版を聴いてみた。何日か前のことだ。
 
 
全部聴いてみるとわかるけれど、「よくこの歌詞で、定額使い放題のCMソングに起用できたな」と思った。
 
CM中で使われる30秒の尺が終わった瞬間から「しばられるな」というコピーに真っ向から反論するし、喧嘩腰全開の歌詞を展開する。曲名『ニガツノナミダ』で検索すると、やっぱり、フルMVを見た人の考察らしい文章がいくつか出てきた。私も同感です。
 
 
 
シニカルさとカッコいい曲進行がクリープハイプの魅力ではあるのだけれど、企業のCM担当者がこの曲を初めて聞いた時、どんな反応をしたんだろうと思う。そもそも、この曲を公開するのがすごいなあ。最初はもっと攻めの姿勢だったのかな。
 
裏側を想像してみると、綺麗に完成したMVも見方が変わってくる。このCMシリーズは毎月人気のアーティストとコラボするらしいので、来月はまた別の楽曲が起用されることになる。1月はいきものがかり、2月はクリープハイプ
 
序盤から攻めの姿勢が印象的なので、翌月、翌々月、と期待が高まる。
 
こうなると相手の思うツボで少し心外なのだけれど、音楽の話題性で引っ張るのはコスパがいいのかもしれない。テレビや動画を見ていなくても、音は自然と耳に入ってくるから。音楽が作れるってすごいことだなあ。
 
 
 
自宅にApple TVを導入してから、テレビを見る時間が減ったと思う。むしろ決まったテレビ番組を見ないからこそ、BGMとして合間のテレビCMを聞く機会が増えた可能性すらある。
 
家に帰って最初に手に取るのはApple TVのリモコン、見るのは専らYouTube、あわよくばNetflixというところ。
 
我ながら本当に意味がわからないのだけれど、Netflixは番組を自分で選んだ手前、最後まで責任を持って見届けないといけないような気がしてしまうのが好きになれない。なんと歪んだ責任感。
 
YouTubeの方が単発の動画なので、面白くなかったと思ったらそこで見るのをやめればいい。けれどNetflixは長い動画がいくつものシリーズに渡って公開されているので、引き返すにもこの責任感が邪魔をする。どういうこっちゃ。
 
 
 
話題性の高いアーティストを起用してYouTubeでMVを公開すれば、そのファンのミックスリストに自然と動画が入り込んだり、作業用BGMのプレイリストですら、この音楽が聞こえてふと顔を上げる、なんてこともあり得そう。
 
クリープハイプに限らずロックは熱烈なファンが多い音楽なので、その点効果は大きいのかもしれない。しかもこのニヒルな音楽。鮮やかな手のひらの返し方が見事で、なんとも爽快だった。
 
余談ですが、このMVの最大の魅力は開始10秒でドラムの音にびっくりするお父さんです。見てね。