思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

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みかんを買って冷凍しておくのを、最近はすっかり忘れていた。
 
アイスに最も近い健康食品だと思ってしばらく食べていたけれど、スーパーの愛媛県産みかんはいつの間にか、アメリカ産オレンジに置き換わってしまっていた。
 
端に追いやられたみかんの値段を見ると、こたつのピークを過ぎたからか異様に高い。学生風情では、あれほどの金額をみかんに割くことはできそうにない。
 
そういえば、もやし農家の人は年中安売りされているもやしを見てどんな気持ちになっているんだろう。
 
私はもやしを育てたことがないから想像することしかできないけれど、自分の頑張りそのものが安売りされている気持ちになりそうだ、と思った。兼業農家だったり、二毛作だったり、そういうやり方なのかな。
 
一袋30円でも「高い」と言われるもやしだけでは、正直、家族全員の生活費をまかなえると思えない。
 
 
 
私はもやし農家ではないけれど、「今の自分頑張ってるのに、全然評価されてないわ〜」と落ち込むことはある。
 
私自身が遭遇するというより、頑張っている人を見て「もっと評価されてもいいんじゃないの、この人」とか、「いろいろ言うなら手を貸してあげればいいんじゃないの」と思うことの方が多いかもしれない。
 
その人がいないと何もできないとわかっていても、助けられれば助けられるほど、どんどんワガママが言いたくなる消費者心理はよくわかる。
 
彼ら、彼女らが、周りから評価が得られないことでその方向性を疑えば、困るのは私たちなんだけけどね。
 
努力を評価されて喜ぶのは高校生まで(と言いつつ自分には甘い)というのが私の持論だけれど、周囲からの評価が次への原動力になるというのもまた事実。
 
自己実現のためだけに努力を続けられる人は、限られた人だけなのかもしれない。
 
 
 
出会ったこともないもやし農家の家計が気になって調べてみたところ、やはりこの10年弱で、100社以上のもやし農家が倒産に追いやられているらしい。もやしの適正価格は40円だと言うが、私は一袋40円のもやしを買ったことがない。
 
中には高級路線で売り上げを伸ばしている大規模な農家もあるらしいが、それは本当にごく一部だと思う。
 
 
 
納得いく成果を手に入れるには「高級路線」みたいなブランディングが必要だと思うけれど、人のために頑張っているのに評価されないと思うことがあるのなら、その感謝を口に出すよう上手く仕向けることだって、またひとつのやり方なんじゃないかと思う。
 
本人の目の前で褒めちぎるのは、照れてしまって、なかなかできることじゃないんだから。
 
世のため人のため、目立たず慎ましく応援するのが美徳だという時代は、もうそろそろ終わってもいいんじゃないかしらと思う。みんな違ってみんないい、それなら全員が真剣に褒められるべきだし、表立って尊敬されるべきだと思う。
 
私は当然ステキだし、あなたももちろん最高。人の良さに目を向けられる努力家が、たくさん生き残る世界になりますように。