思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

フレーズの威力

集中力が削がれている気もしなくもないが、作業用のBGMに歌詞があるものを選んでしまうことが多い。少しでも楽しい気分で作業したいという気持ちがBGMにまで流れていってしまうらしい。
 
そしてそういう時、特別意識しているわけではないのにラブソングを聴いていることが多い。
 
意識せずともそういう曲がよく流れてくるのは、ラブソングがいかに音楽業界を寡占しているかということと、私の視聴履歴がいかにそちら側へ偏っているのかの証明になりそうだ。恋愛とかそういう類の話は、ライトな感覚で歌にしやすいのかもしれない。
 
とはいえ、ラブソングの中に出てくるフレーズは記憶に残ることが多い。それは耳に残るリズムのせいかもしれないし、短いフレーズで人の心をつかもうとする音楽の特性かもしれない。
 
どちらにせよ、3分前後もある音楽の中のたった数秒間が、私の心を捉えて離さないことがあるわけだ。
 
 
 
映画を観ていてもたった一言がその映画の真髄をついていたりするので、一言の威力はバカにならない。音楽も然りで、そこには新曲だとか懐メロだとかいう区別はあまり関係ない。
 
例えば最近聴いていて「ほう」と思ったのは、「勇敢な勇者も恋人には勝てない」「(運命と呼べる君に巡り会えたの) 若気の至なんかじゃ決してないから」というフレーズ。
 
 
勇敢な勇者は結局プリンセスの恋人になりがちという説は否定できないにせよ、愛にまつわるアレコレが若気の至りという言葉で蔑視されかねないということには納得感がある。
 
でもよくよく考えてみれば、そういう恋愛にまつわる言葉は、音楽にかかわらずどんな場面でも出会えばすぐにグッと来てしまうものなのかもしれない。
 
付き合ってほしいんじゃない 「わたしも」と笑ってほしいだけ

con2469.hatenablog.com

 
大して経験豊富なわけでもないのに、心の底に住んでいる知ったかぶりの自分が「ワカルワカル」と頷いている。この感覚は「理解できる」という意味のワカルではなく、「想像に難くない」という意味のワカルが適切な言い回しかもしれない。
 
こういう何事も想像力で補おうとするのはある種悪い癖だ。やらなくても分かったような気になってしまう。
 
人の言葉にすぐグラグラ来てしまうのは、マルチとかネズミ講とかそういうものに引っかかりやすい人の典型らしいから気をつけたい。
 
でもそういう感度って高くてもいいじゃんね。
 
物を買うとかそういう具体的な行動に結びつくグラつきじゃなくて、感動するとか嬉しくなるとか、そういうグラグラなら悪いことじゃないと思うんだけどね。
 
余談でした。
 
 
 
作業中、何の気無しに流れてくるフレーズは、必ずしもラブソングである必要はない。けれど何の気無しに流れてくるフレーズだからこそ、ふと耳に入った時の「ワカルワカル」という感覚が増長されて、心の奥底にずっしり居座るのかもしれない。
 
偶然目に入ったものの方が人の感情を動かしやすいし、どうやら私は、人よりそういう場面に弱いらしい。せいぜい変な詐欺に騙されないように用心していようと、異様にロマンチックなラブソングを聴きながらそう思ったのでした。