思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

取捨選択

そろそろ本格的に引っ越しを考えようと思って、真剣な面持ちで都内のワンルームを眺めてみた。
 
気づいたのだけれど、真剣になればなるほど、異様に高い家賃に見慣れて金銭感覚がおかしくなってくる。「あ、この部屋16万円?やすいね〜」みたいな。家賃が高い地域は物価も高いわけだから、月々にかかるお金だけ考えていても住めるわけがない。
 
一方その中で人気の地域で家賃が異様に低い見つけると「事故物件なんじゃないかしら…」と思ってしまう。この矛盾はいかに。
 
とはいえ、あらかた住む地域の目星はついているし、その中でベストな物件を見つけないといけないわけだ。しかも、賃貸は早い者勝ちで空室が埋まっていってしまう。焦りの中で冷静にベストな選択を模索するわけだから、その難易度の高さはなかなかハイレベルだと思う。
 
 
 
あれもこれも手に入れたくなってしまう私にとって、物件選びとレストランのメニュー選びは同じくらい難しい。物件は一度契約すればある程度の期間は住まなくてはいけないし、1日にできる食事の回数はある程度決まっている。
 
決められた回数しか選択できない中で最適な答えを見つけるのは、物件選びもメニュー選びも同程度だと言える。私にとっては。
 
 
 
部屋探しとメニュー選びが上手な人は本当にすごい。言い換えるなら、自分の譲れない部分と妥協できる部分の棲み分けが上手な人は本当にすごい。
 
「バストイレ別、独立洗面台で駅から徒歩10分以内の2階以上、オートロックエアコン付きはもちろん、管理費込みで家賃10万円以下!」と条件を絞っていくと、独立洗面台ではない物件やオートロックでないもいくつか混ざってくる。
 
それは検索のふるいがザルというのもあるにせよ、「どれか一つは手放さないと、最適な物件は紹介できませんよ」という意味なのかもしれない。
 
一度の食事でシーフードも野菜もお肉も全部摂りたくなってしまうあの優柔不断さにも、どこか似たものを感じる。
 
 
 
いろんなことに手を出したくなるのは悪いことではないけれど、取捨選択をトレーニングする方がより良い選択に近づけるのかもしれない、と、思ったり。
 
信じられないほど数学が苦手だった私が、大学受験に際して数学を使わないと決めたのは、(当時の自分にとっては)ある意味最適な取捨選択だったんだと思う。
 
今の私はもっと数学頑張っておけばよかったな、と思わないこともないけれど、あの選択がなければ今の生活もないわけだから、今の充実度から逆算すれば最適だったと言えるだろう。
 
今の私が下す選択が、将来の自分の首を締めませんように!心の底からの祈りを込めて、あらためて、賃貸情報サイトを開いてみる。