思考の自由研究

世界で一番かわいい言葉は「もぐもぐ」だと思う

他人の意見

久しぶりにブログを更新しようかな、とEvernoteの下書きフォルダを見ると、期末試験前の憂鬱な季節に書いた文章が出てきた。2ヶ月前の自分は今の自分とは違う人だと思って改めて読んでみるとまあなんと悲観的なことか。試験前だったもんね、色々重なって期日に追いかけられて生活していた時の私は、何もかも将来と名のつくものはその未来が近かろうが遠かろうが嫌煙していたらしくて、チョット笑えた。
 
 
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ある授業の期末課題で、将来の夢を書きなさいというのが出た。
授業の内容を踏まえて、あなたの夢はなんですか?そしてそのために、あなたは今日から何をするんですか?という内容。
 
この課題を聞いた時私は、「なんだ楽勝じゃん」と思った。テストなし、出席40%課題60%の授業で、期末課題が自分の夢を書きなさい。単位を落とすわけがない。
しかしこの担当教授、
「自分がなりたい仕事、と言っても、現実的なものを書いてくださいね」
と付け加えた。意味を計りかねる。
 
「みなさんがなりたい職業、なんでも書いてOKというわけではなくて、現実的で実現可能性の高いものを書いてください。昔、この課題で『国連事務総長になりたい』と書いた人がいますが、みなさん、彼が国連事務総長になれると思いますか?非常任理事国から、国連事務総長が出るなんてあると思いますか?思いませんね、だからそういうことです。
 
いいですか、小学生でもあるまいし、実現できることとできないこと、わかりますね。その線引きを自分で考えた上で、自分の将来の夢を、A4用紙2枚以内にまとめて提出してください。まあ、締め切りは長めに取っていますが、つまりこれは、試験前にでもちゃっちゃと終わらせて早めに提出しなさいということの裏返しです。では、みなさんの夢を見せていただくのを、楽しみにしています。」
 
私は、将来の夢に「国連事務総長」と書いた学生のことを尊敬する。
この日も私は「大人になりたくないなあ」と心底思った。しかしこの教授の仕事はきっと、夢見がちな学生の目を醒まして現実世界に引き戻すことなんだと思う。なんと価値あることか。社会からのニーズはなんと高いことか。
 
自分の将来の夢が点数化されることそのものも、なんだか気分が悪いなと思い直す。
この人も嫌われ役を買って出て、家庭に帰ればオクサンに「今日も学生から嫌われちゃったよ」なんて相談するんだろうか。どんなにペシミズムな人にも家庭があり、心をかける父がいるわけだから、人類皆平等とは、そうね、確かに、よく言ったもので。